たまには映画の話をごちゃごちゃと

字幕版で見つけちゃいました
誤訳っていうよりミスですね
reinforcements 援軍が将軍になってるんです
たぶん大御所の故Sさんの翻訳でしょうか
(以下 憶測で進めてしまいます)
氏の字は日本で3人しか読める人がいなかったので
必ず代筆者がついていました
20数年前 ぼくも挑戦しましたが本当に読めませんでした
ペルシャ文字みたいなんです
なので専属のリライターが2、3人いたわけです
元お弟子さんとかでした
ま その書き写し段階でのミスだと思います
のどかな時代だったんです
30年以上たって発覚かな?
別に目くじらをたてることじゃなくて
人間がやってる仕事って感じがしていいなあ
別の方だったら ごめんなさい


ぼくが原稿運びなどをやっていたころ
Sさんは映倫の審査員でした
もう70歳をすぎていたと思います
マリリンモンロー主演の古い作品の翻訳をお願いしたので
振込先を聞きに銀座の事務所を訪ねると
ダンディーな氏がいらっしゃって
さらさらーっと書いてくださいました
読める字で…


氏は戦前からいまと同じギャラをもらっていましたから
おうちに宝塚のおねえさんたちをみんな招待して
パーティしていたそうです
いまは もちろんあり得ません
Sさん ほんとカッコよかった〜


昔ののどかな感じっていいですよね
いまは ぎすぎすしして たいへんです
みんな 語学が堪能になってきましたし
字幕版も吹き替え版もあるわけで
プロがプロをチェックすることになるから
つまり字幕翻訳は吹き替え翻訳者にチェックされることが多いわけです
なので先行する字幕翻訳者にとって結構プレッシャーで
できれば自分の字幕作品は自分で吹き替えたいくらいです
しかもマニアがわんさかいてチェックがきびしい〜
おいらなんか 陰で何言われてるか分かったもんじゃありません





こないだやった香港映画『少林寺vs忍者』は
日本人妻が出てきて 弓子って名前なんですけど
日本の武術の達人が出てきて
「まゆみ」って呼ぶんです
ガクッって来るんですが
結局 そこがウリになったみたいです


少林寺秘棍房』では
変な終わり方だなと思っていたら
主役が事故死していました
最後の準主役の迫真の演技は鬼気せまるものがありました


裏話を聞くと驚くようなことばかりで
やはり映画ってすごいですね
と言わざるをえません
次やる映画は『キルビル』の元ネタだそうです