『ナバロンの要塞』

ナバロンの要塞』を
字幕をみながらチェックしてるんですけど
映画もさることながら字幕がすばらしい
『戦場にかける橋』と同じだ
なんだろう この味は
あの短い文章からしみ出てくるものは
人生の深みなのか
ほれぼれしつつ
自信がなくなっていく
自分がこの仕事をやらせてもらっていいものかと
思ってしまう


字幕翻訳者がたくさん育っているけど
実を言うと進化していない
越えなきゃいけない壁が高すぎることに
みんなは気づいているのだろうか
いま話題の翻訳者だって
昔の翻訳者の
半分の域にも到達していない
おそらくぼくは十分の一にも達していない
もっと遊んで
いろんな人に出会わないといけない
お勉強ばっかしてた いい子ちゃんじゃダメなんだ


これは映画作りにも言えてることで
深みのある映画が減ってきている
小手先ばっか
感心するのはチャプリン
昔の映画は意味深いものが多いが
どこか間延びしているものだ
しかしチャプリンの映画は
そぎ落とされていて
贅肉がまったくない
なのに『街の灯』なんか
映画を3本観たような錯覚に陥る
ここにも越えなきゃいけない高い壁がある