ストーリー

ストーリーがつながるまで
しばし待つ
つながってくれれば
こっちのもの


『待ち人』
町人は
待ち人来りすぎて
自分の寿命も来るのかと気になっていた
60歳という還暦を迎えることは
今までの誕生日とは大きく違う
その日暮らしで生きていた人間が
先を考えるように
先を感じるようになっていた

遠い記憶の忘れかけていた人のことまで思い出して
こまかいやりとりが頭の中を駆けめぐる
記憶とは意識の外で生きているらしい

とにかく人に迷惑をかけてきた人生
人のおかげでここまで生きてこれた
反省多いものの楽しい思い出も多いわが人生

父の遺伝子を受け継いでいることを誇りに思う
破滅型のもつ恩恵というと
父に失礼か
人のせいにするのはいいかげんやめないとな
と秋の晴れの日に気づいた