おやじ

19年前にお袋が亡くなって
ここに住むようになった
大好きな両親だったけど
いつも食事の時間になると酒のことで
けんかがはじまって
早いうちから家を出たいなと思ってた


おやじが定年退職になって
宮崎に住むようになり
自分は大学生2年生だったので
念願の一人暮らしがはじまった


毎度毎度
「もう俺は長くない」というおやじだから
てっきり先に死んで
あとはお袋を引き取って
ふたりで暮らすもんだと思ってたけど
そうは問屋が卸さなかった


ネパールに行っているときに
お袋がなくなって
ふたりの生活がはじまった


話は略すけど
ほぼ毎日 朝飯を食べたら
パチンコに出かけて
へべれけで帰ってくる


本当に頭にくるんだけど
飲んでるときと飲んでないときが
まるで別人で
飲んでないときは同情のほうが
先に立って いろいろ言えなくなる


natureは
しらふの時のほうが頭にくるというが
彼女のほうが正しいと思う