『ありがとう星人』9

よく見ると おじさんは小さくなっています
そして右足だけが ずーっと遠くまで伸びていました
そうです
おじさんは ぼくが眠っているあいだも
ずっと移動を続けてくれていたのです
ゆっくりとですが 休みなく移動するので
けっこうな距離を移動していました
おじさんは 右足をずーっと遠くまで伸ばして
いいところになると 今度は右足を縮めながら
左足を伸ばしていくんです
そのあいだ おじさんのお顔はとても小さくなっています
ほとんど ぼくを入れている鉢と脚だけになっちゃいます
ただしおじさんの顔は
ぼくが安全なように いつもそばにいてくれています
夜 とかげが出てきたときには 鉢をぐぐっと大きくして
ぼくを包んでくれました