こころのけがれ

ひとの悪口を言ったり
ひとを嫌ったり
ひとを馬鹿にしたり


そうやって自分が上の気分でいても
魂を穢してるわけで
その相手は自分なわけで
袖振り合うも他生の縁なわけで


ひとを嫌うことをやめたくて
一番嫌っていた伯母をいくら世話させていただいても
嫌っているままなら意味はなく
亡くなられては
向こうにこちらの心はお見通しなわけで
お恥ずかしい


さみしいがゆえに
ひとをつかまえては長話
それゆえお友達がいないおばあちゃん
家で要らなくなった食べ物を
犬のエサにと持ってくるようになった


ひとを嫌うことなかれと教えられても
いい子ぶる自分は
嫌ってませんと言い通す


それが帰宅の車の中
ハッとさせられる
ぎっくり腰やったのは
犬のエサやり


嫌ってた 嫌ってた
うちにいるおばも血が同じで
そのばあちゃんを嫌ってた
ぼくも血のせいにして嫌ってた


こんなことにも気づかない
不都合な真実には気づかない


さっそく車の中でお詫びすると
腰の痛みがスーッと抜けていった


2週間ぶりの犬の散歩
道路に出ると
ずうっと先に
嫌ってたおばあちゃんが歩いてた