存在感

ぼくが生まれたときから
家には木彫りの大国主命様の像があった
軍艦島にいた頃 父の友人が
ぜひもらってくれと言って
彫って持ってきてくれたものだ


幼い頃ぼくは その目が怖くて怯えていた
ある時期はぞんざいにおもちゃ箱に
放り込まれていたこともある


ぼくが この土地に住みつき
神棚を祀らせていただいてからは
そこが定位置になった


ぼくがネズミを彫りはじめたのは
大国主命様ゆえんのことだ
そして初心者ながら彫りはじめて
その精巧な彫りに気づいた
すごい


今朝まじまじと大国主命様の像をながめていると
微笑んでくださった気がした