また出ていった

部屋の中を
「あー あー」とため息をつきながら歩くおやじが
散歩と称して出ていった
パチンコ屋と酒屋へ行き
記憶のないまま戻ってくる
これの繰り返し
酒で早く自殺して
ぼくたちに迷惑がかからないように
しようと考えているらしい
まったくもって迷惑だ


お袋が亡くなって
さみしいのよと人は言う
でも この人の生き方は
お袋がいたときと同じ
あのころは 金を渡されず
隙を見ては飲んで
ゲーム感覚で困らせていたが
いまは自由になる年金で
好きにやっている
本人はぼくのプレッシャーで
自由がないとのたまう


あんたがそれやめてれば
お袋 もう少しいてくれたんだよ


本当にからだを思う人間じゃないと
分からないイライラ
natureだって最初は
笑っていたもの