どひゃーっ

もう講評が返ってきた
うれしい言葉やきびしい言葉があった
感謝どころか感激です
プロにタダで見てもらえるなんて
なんて幸運なんでしょ
次作期待されたけど
とりあえず脚本書く


『蟻』
生まれてから ずっと肉体労働やってるとね
女だったこと忘れちゃう
いつかは女王に
なーんて気持ちはみじんもわかなくて
ついつい体が動いちゃう

けっこうキッチリした性格で
どんなにおいしいものでも
食卓で食べないと気が済まないから
体の何倍もあるものでも
せっせと巣まで運んじゃう

運べないものだったら
仲間を呼びに巣へ帰る
みんなでいただくか
みんなで運ぶか決めるんだ

だけどアブラムシの蜜はその場でいただける
体をはってテントウムシを追い払って
おいしい蜜をペロリ
私きれい好きだから
べたべたイヤだから
あとは舌でお化粧がわりにナメナメお掃除

おっ 男がいた
あいつら 仕事しないんだよな
羽つけてるだけでイバっていて
ごちそう食べては寝て休んでる
たまにはサムライアリが来ればいいのに

男がほざく
「ほんと どいつもこいつの色気ねえなあ」
あたしは言ってやる
「この腰のくびれ見てよ セクシーでしょ」
男が言い返す
「いやー女王様は同じくびれでお尻がドーンだぜ
 そんなのどこがセクシーだ」
あたしはキーっとなって
女だったと思い出す